そば屋のおやじのひとり言

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                     『食べ合わせの良し悪し』
 食べ合わせの良し悪しというのを聞いたことはないだろうか。

   「ある ある ある ある」

それは クイズ100人に聞きましたか?

   「ふるっ あるある と言ったら今は 発掘あるある大事典でしょ」

ああっ 今 気が付いたけど、どっちも関口 宏じゃないの。
なるほど。  発掘あるある大事典の「あるある」は、クイズ100人に聞きましたの「あるある」だったのか?

   「んなわけないやろ。  でも、どっちも関口 宏という意味においては、どっちの料理ショウも関口 宏という事になるな」

んん〜 用和歌乱用になってきた。 うおっ 「ようわからんよう」を変換したら、「用和歌乱用」って出てきたぞ。 このパソコン馬鹿か?

   「おまえがあほじゃ  はよ本題に戻れ」

は〜〜〜〜い。え〜と 食べ合わせの良し悪しだったか?。
いろいろある。「天ぷらとスイカ」「とうもろこしとハマグリ」「蛸と柿」「鰻と梅干」などなど。

 「今度、鰻でも食べに行こうか。 でも梅干と一緒に食べちゃだめだよ。腹下すから」
なんて会話聞いたことがあるようなないような・・・。  

   「まっ なかなか鰻と梅干を一緒に食べる機会はないけどな」

んなことないぞ。 こってりした鰻を食べにいって、そのあとあっさりの梅茶漬けがほしくなったとか。天ぷら会席のデザートにスイカが出てきたとか。バーベキューで、とうもろこしとハマグリ一緒に焼いちゃったとか。明石に行って蛸めし食ったあと、散歩しながら柿ぼじって食ったとか

   「はいはい でも、ちょっと強引なのもあるぞ」

でも、ほとんど根拠はないらしい。
昔は、今と違って輸送形態が発達してなかったし冷蔵庫もない。だから、海や山などの遠隔地で取れたものを食べるときは、鮮度が落ちてるかもしれないから、注意しなさいよっていう戒めみたいなものだったんだって。
でも、「天ぷらとスイカ」の組み合わせは根拠がないとは言い切れないらしい。天ぷらは油が多く、スイカは水分が多い。多量の脂と水分をとると腹下すことがあるそうだ。あんまり、天ぷらとスイカ馬鹿食いするやつおらんけど、子供には注意がいるかもしれん。

   「そしたら、特に気にすることはないんだな。はた迷惑な。なに食べようがほっといてくれ」

ちょっとまて。その挑戦的な言い方が気に入らん。よ〜しこれはどうだ。子供の給食の献立表だ。これはすごいぞ。読むと笑えるが、食べる子供はちょとつらい。
         「ご飯と野菜炒め、きんぴらごぼう添え。と牛乳」      「パンとカレーライス餃子つき あとフルーツゼリー。で牛乳」
しかも給食の途中でお茶飲んじゃいけないらしい。牛乳が飲めなくなるから。
「このカレーライスちょっと僕には辛いな〜」といいながら、パンにかぶりついてフルーツゼリーと牛乳だぞ。何が主食なんだ?はっきりいって味覚障害になっちまう。
日本の飲食業界の未来は暗いよ。 
 こんな事してるから、ご飯にマヨネーズと濃い口醤油でう〜に丼とか、豆腐にチョコレートでババロア〜なんてやつが出てくるんだよ。
たまには、道場六三郎あたりを引っ張って来て、学校給食つくってもらったらどうだ。先付けから始まる給食懐石料理。給食も食の授業なんだからいいんじゃないの。三年後には、一口食っただけでハマチとカンパチとヒラマサを、産地別に区別して答えられる中学生ってのが現れるかも知れんぞ。

   「それはそれで面白いかもしれんが、また ずれたぞ」

 すみませ〜ん。食べ合わせの良し悪しですよね。
今の科学的知識ではナンセンスなものがほとんどだし、体に害になるってことはないが、栄養素的に考えた場合タブーな組み合わせがあるらしい。
たとえば、玄米と鉄分・カルシウム。  玄米は体にいいが、外皮に含まれるフィチン酸は体内の鉄分やカルシウムを一緒に排泄してしまうらしい。  まっ 全部ではないが効率は悪い。
 逆に食べ合わせのよいものもある。悪いものに比べると、こちらの方が断然多いらしい。一緒に摂取することによって、栄養が吸収されやすくなったり、悪い成分を排出してくれる。これは大きく 「掛け算型」 「足し算型」 「引き算型」に分けられる。

掛け算型
 (ほうれん草と油)   ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれるカロチンは、そのままだと吸収されにくいが、油でいためることで吸収
               率がよくなる
 (豚肉とねぎ)      豚肉やレバーに含まれるビタミンB1は、ねぎ・にんにく・にらなどのネギ属の持つ硫化アリルによって、アリチア
               ミンに変化し吸収しやすくなる。

足し算型
 (ほうれん草とゴマ)  ほうれん草に含まれるカロチンと、ゴマに含まれるゴマリグナンは抗酸化作用があり、2つの組み合わせでダブ
               ル効果。
 (米と大豆)       米はリジンが少なく、含硫アミノ酸が多い。一方、大豆はリジンは多いが、含硫アミノ酸が少ない。

引き算型

 (塩分とワカメ)     食物繊維の一種であるアルギン酸が余分な塩分を取り込んで排出してくれる。

 (脂肪と野菜)      野菜が持つ食物繊維が、動物性の脂肪を絡めとって排出する。

などなど。 引き算型の脂肪と野菜なんかは、ダイエットにもなる。
 とにかく健康には、野菜・山菜・海藻なんかをたくさん食べておけばまず間違いないようだ。あと魚、で ときどき肉。
これがまた難しいんだけどね。

                   『なんか違ってますよ〜』
 あまりよく解らんが、なんか変じゃないか 今の日本。

   『おっ 日本ときたか。あんたいつからそんなに偉くなったの』

いや 偉くなったわけでも、賢くなったわけでもないけど、「なんやねんそれ」って言いたくなること最近多くないですかってんだ。

   『まあまあ解らんでもないけどね』

たとえば、昨日の長野県知事 田中康夫不信任案可決
まあ、テレビで見るだけだから内部のことはよく解らんけど、あの人 選挙公約を果たそうとしただけじゃないの?何でそれでやめさせられるの?ようわからんよ。あれは多数決の暴力だと思うけどね・・・

   『やり方がまずかったんじゃないの?』

やり方? あの人、民間で言うと「会社の社長」だよ しかも県民に選ばれた。『脱ダム宣言』に9割の人が賛成して誕生した知事なんだよ。何でそれに従わないの?  戦略と言うか目標は『脱ダム』ってあの人が知事に選ばれたときに決まったんだよ。あとはそれをどうやって実現するかどうかを県会で考えればいいだけじゃないの?

   『いい事言うねぇ 小泉さんにも聞かせてやりたいねぇ』

国会もそう。小泉さん「長野県のことは長野県で決めればいいこと」なんて言ってるとそのうち足元すくわれるぞ。もう寝技で絞められてるか?あたしゃあんたが好きなんだから がんばってよ。 あんた倒れたら後誰がやるの・・・

   『石原慎太郎がいるじゃないの』

あの人もいいけど現実味がかけるなあ。大橋巨泉も半年でバンザイしたしなア。

とにかく郵政三事業民営化を選挙公約にした小泉さんをあんたら選んだんでしょ。それをいまさら抵抗勢力だかなんだか知らんけど。
だいたい抵抗勢力っていう言葉がよくない。不労者を「フリーター」 恋愛精神異常者を「ストーカー」なんてかっこよく呼ぶようなもんだよ。

   『じゃあなんて呼べばいいの?』

う〜ん 利権を捨てきれない金の亡者かな。

   『そういう発言はいかがなものか』

 それから話し変わるけど、雪印から始まった食品偽装事件から添加物問題・USJ賞味期限問題 後から後からきりがない。
確かに許されることじゃあないんだろうけど、今回は、不許可の添加物入りの香料を使った製品を回収している。アセトアルデヒドのおかげでものすごい廃棄が行われている。

   『毒物なんでしょ。発ガン性もあると新聞に書いてあった』

 二日酔いするほど酒を飲んだら、アセトアルデヒドなんか体にいっぱい溜まる。酒飲んだら発ガンするのか?
香料に使われたのだから、鋭敏な匂いのレベルだ。量は極めて僅かだ。しかも、海外では申請したら許可されている場合が多い。ワシなら、今回の製品は平気で食べる。どう考えても怖くない。子供にも食べさせられる。ワシが子供のときは「チクロ」っていうもっともっと有害なものが公然と許されてたぞ。「チクロ入りジュース」とかいって。もったいない。
  『そういえば、「健康には問題はないが、」って、コメントはあちこちに書いてある』
そうなのだ、今回は健康の問題ではない。法律上の手続きの問題に近い。このおかげで、どれだけの食べ物が廃棄されたかワシには見当もつかん

   『まあまあ確かにもったいないよね でも賞味期限切れたもん食べさせられたら嫌でしょ』

確かに嫌だ。お金払ってるしね。でも賞味期限の切れた「納豆」ってどうなの? だめなの? それともさらに美味しいの?
   『おあとがよろしいようで』

                       『名犬 ちび』

 7月1日午後3時 嫁の実家で飼っていた名犬が死んだ。名前は『ちび』14歳 雌。病名は『癌』 右前足にできたその病魔に名犬は勝てなかった。

 私は、「ちび」の御飯の世話をしたわけでも、散歩に連れて行っていたわけでもない。その世話のほとんどは、おばあちゃんがしていた。しかし、月に何度か行ったときには、他の人とは明らかに違う表情で私を迎えてくれた。

 そもそも、「ちび」は以前おばあちゃんが飼っていた犬が死に、おばあちゃんが落ち込んでしまわないよう、その二代目として子犬でもらわれてきた。ほんとに、コロコロにちびっこちゃい、かわいい子犬だった。
私は飲食業を営んでいて、嫁も一緒に店を手伝うことが多かったため、子供二人をよくおばあちゃんに預かってもらっていた。そんなこともあり、子供と「ちび」はよく一緒に遊んだ。散歩ついでだが、山に行くのも川に行くのも一緒だったようだ。

 そして、家の近くにある天満宮に、私・嫁・子供二人・おばあちゃんと「ちび」の5人と一匹で散歩に行った帰り、それは起こった。

長女はまだ3歳ぐらいだったと思うが、かなり活発でお茶目さんだった。その子が、何を思ったか突然道路に向かって走り出したのだ。道路を見ると、向こう側から自動車が走ってくるではないか。私もすぐ走り出したが間に合いそうにもない。

「あぶないっ」

3人が一斉に叫んだように思えた。そして、頭の中が真っ白になりかけたとき、何かが車にあたった。

「ああっ ああっ ああっ やっちまった」  そのときの気持ちを今 冷静に、そして客観的に思うと こうだった様に思う。 

しかし、娘は私の目の前で立ち止まり、こっちを見ている。
よく見るとその近くで、「ちび」が耳から血を流しながら倒れていた。そう、道路に飛び出しそうになった娘を追い越し、車にあたりに行ってくれたのだ。

道路に飛び出した「ちび」を見て、とっさに車の運転手はハンドルを切り よけようとした。結果的に「ちび」ははねられたが、「ちび」をよけようと運転手がハンドルを切った分娘は助かった。

すぐに「ちび」を病院に連れて行ったが、今晩が山だと言われた。 何とか助かってほしかった。 「ありがとう」が言いたかった。

 数日後、「ちび」は元気になってかえってきた。耳から血を流して倒れていたのが嘘のように。
それ以来、おばあちゃんの家に行くたびに、「ちび」の目を見てありがとうと言いながら11年間なぜてきた。

 私が「ちび」を賢いと思ったことは他にもある。おばあちゃんの躾がよかったのだろうと思うが、ある日「ちび」を膝の上に抱っこしてやろうと思った。が 絶対 乗らなかった。それどころか、「そこには座れない、どうしてそんなことするの」とでも言いたそうな目をして私を見ながら後ずさりをした。 数年前「フェラリア」という病気にかかったときには、それまでは顔を近づけるとペロペロとなめていたのに、それ以降絶対になめなくなった。まるで自分の病気がわかっていて、万が一にでも私に病気をうつさないようにとでも思っているように。
 それから、「ちび またな バイバイ」と言って、おばあちゃんの家から帰るときは必ずほえる。その声が、ある時は「もっとゆっくりしていけ」と言っているようでもあれば、ある時は「気をつけて帰れよ」と言っているようでもある。

そんな「ちび」が死んだ。

獣医に「癌」と言われ、できるだけの薬を試したが、死ぬ数日前は水も飲めなくなった。痛みに耐えたその足は膨れ上がり、立つこともできなくなっていた。
そして、その日 まるで自分の身を清めるかのように、どうしても立てなかった足を引きずり、トイレを済まし 間もなく死んだ。
そのなきがらは、畑の横にみんなで埋めてやった。畑仕事に行ったときいつでも会えるように。

今のこの気持ちが、万が一にも記憶の彼方に消えていかないようここに記す。

ありがとう「ちび」。 私にとってお前は紛れもなく名犬だ。

kogetudo@izushi.jp

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